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相続税対策に不動産活用は有効?方法ごとの特徴や注意点を紹介

税金

大島 康弘

筆者 大島 康弘

お客様が何一つご心配なく安心して、不動産の取引が出来る事を心がけております。 不動産の取引をした後、「ここで取引してよかった」と思って頂ける事が私共の喜びです。

家を相続する際、「相続税がどれくらいかかるのか」「現金より不動産の方が有利なのだろうか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。不動産は、上手に活用することで相続税対策に大きく役立ちます。この記事では、なぜ不動産活用が有効なのか、その具体的な方法や節税につながる特例まで、分かりやすく解説します。これから相続対策を考える方に、確かな一歩となる知識をお届けします。

なぜ不動産活用が相続税対策に有効なのか(相続で家を受け継ぐ方に向けた基本理解)

不動産を活用することで相続税の評価額が下がり、税負担を軽減できることがあります。まず、金銭や預貯金と比較して、不動産の相続税評価額は低くなりやすい点が挙げられます。土地の評価額は「路線価」や「固定資産税評価額」を基準として算出されるため、時価よりも抑えられる傾向があることが背景にあります。

さらに、自分で使う土地(自用地)ではなく、他人に貸す「貸家建付地」に分類されることで、土地評価に借地権割合・借家権割合・賃貸割合を乗じた減額が認められます。具体例として、自用地評価額が1億円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%であれば、評価は1億円×(1-0.6×0.3×1)=8,200万円になり、約20%の評価圧縮が可能です。

こうした評価圧縮の目的は評価額を下げるだけでなく、課税所得が下がることで相続税の負担が軽減されるうえ、賃貸収入による納税資金の準備や資産の分散による円滑な承継にもつながります。

内容項目概要効果
現金・預貯金評価=額面通り評価圧縮不可→税負担大
自用地(更地・自宅)路線価等で評価時価より低く評価
貸家建付地自用地額×(1-借地×借家×賃貸割合)評価圧縮により相続税軽減

上記の表では、現金と比べて不動産、特に貸家建付地の評価がどのように変化するかを整理しています。制度の活用には、借地権割合や借家権割合、賃貸状況などを正しく把握しておくことが大切です。

主な不動産活用の方法(相続で家を受け継ぐ方向けに選択肢を整理)

以下では、相続で家を受け継ぐ方が検討しやすい不動産活用の具体的な方法を三つに分けてご紹介します。それぞれ、相続税評価額の引き下げと実務的なメリットに着目しています。

方法メリット留意点
借入をして不動産を購入 現金を不動産に変えることで評価が下がり、借入があれば債務控除も可能(評価圧縮) 相続税評価額の圧縮効果は、借入の有無にかかわらず不動産にすること自体による要素が大きい;返済負担に注意
所有土地に賃貸住宅を建築 貸家建付地・借家権による評価減、収入確保、土地の有効活用 空室リスクや賃貸管理に関する負担と不確実性
区分マンションを購入 土地持分が少なく評価が低いことが多く、分割しやすいため遺産分割に有利 2024年以降、評価方法の改正により過度な節税効果が抑制されつつあることに留意

以下、各方法について補足いたします。

借入をして不動産を購入:不動産に資産を組み替えることで、相続税評価額が現金に比べて低くなる仕組みがあります。また、借入金は相続時に債務控除として評価額から差し引かれます。ただし、借入の有無自体が評価圧縮の本質ではなく、あくまで不動産にすることでの効果が主要です。返済負担や将来の収支を慎重に見通す必要があります。

--出典:相続会議「相続税対策で不動産購入するなら、自己資金と借り入れのどちらがいい?」 、ZEIKEN PRESS「不動産を買うなら銀行借入した方が相続税は安くなる?」

所有土地に賃貸住宅を建築:貸家建付地・借家権の評価減により、土地および建物の相続税評価額が下がります。貸家建付地では、借地権・借家権・賃貸割合を掛け合わせた評価減が可能です。また、収入源を確保できる点も大きな魅力です。

--出典:武蔵コーポレーション「収益物件の取得が相続税対策になる理由」 、R‑EAL Produced by MIRAP「不動産を活用した相続対策とは?…賃貸して評価額を下げる」

区分マンションを購入:区分所有のマンションは土地持分が小さいため、相続税評価額が相対的に低くなる傾向があり、遺産分割がしやすいという実務的メリットもあります。ただし、2024年以降、区分所有補正率や評価乖離率の導入により、過度な評価低減の効果は減少しているため、最新の制度に沿った評価と設計が重要です。

--出典:遺産相続コンシェルジュ「なぜ不動産購入が相続税対策になる?…区分マンション」 、クレド税理士事務所「マンションの相続税評価について」(2024年改正)

以上のように、借入による不動産購入、賃貸住宅建築、区分マンション選択はいずれも相続税対策として有力な手段ですが、それぞれに特有のメリットと注意点があります。専門的な判断や受け継がれる方のライフプランに応じた戦略立案が重要です。

特例・制度を活用した節税手法(相続で家を受け継ぐ方に適用可能な特例)

相続で家を受け継ぐ方に有効な節税手法として、「小規模宅地等の特例」と「相続時精算課税制度」があります。それぞれの仕組みと特徴をわかりやすく整理しました。

制度名 概要 ポイント
小規模宅地等の特例 一定の条件を満たす土地の相続税評価額を最大で8割減額できる特例 居住用宅地(330㎡まで)、事業用宅地等条件あり、申告書の添付が必要
相続時精算課税制度 累計2,500万円までの贈与に対し贈与税が非課税(一部条件で基礎控除110万円も非課税) 贈与した不動産は相続時に評価対象となり、小規模宅地等の特例は使えない

まず「小規模宅地等の特例」は、亡くなった方が居住用や事業用として使っていた土地を相続した場合、一定要件を満たせば評価額を最大8割まで減額できる制度です。例えば居住用宅地では最大330㎡まで、事業用宅地では面積と減額割合が別に定められています。相続税の計算上、評価額の圧縮による節税効果が非常に高いため、居住していた家を引き続き使う際はぜひ確認すべき制度です。なお、適用には相続税の申告書への記載と必要書類の添付が必須です。

一方「相続時精算課税制度」は、生前に高額な財産(例えば不動産など)を贈与したい場合に有効で、累計2,500万円(+改正後は年間110万円の基礎控除)まで贈与税が非課税になります。ただし、贈与した財産は相続時に相続財産に加算され、相続税の対象となります。また、この制度を使って贈与された不動産は、相続によって取得した財産とみなされないため、「小規模宅地等の特例」が適用できないという重要な制約があります。制度選択には慎重な判断とシミュレーションが必要です。

比較的小規模な土地を残して同居しながら相続対策を進める場合には「小規模宅地等の特例」が有効ですが、まとまった資産の早期贈与を考える場合には「相続時精算課税制度」も選択肢になります。ただし、どちらの制度にもメリットとデメリットがあり、自社不動産会社へのご相談では、ご家族の状況や資産の状況に応じた最適な選択肢をご提案いたします。

:不動産活用による対策を進める際の注意点

相続で不動産を活用する際に注意すべきポイントを、以下の表にまとめました。不動産を活用することで節税効果が期待できる一方で、準備不足や誤った判断が思わぬ負担につながることもあります。

注意点 概要 対策のポイント
駆け込み取得や短期売却のリスク 相続開始前3年以内の取得や、相続後すぐの売却は特例が適用されない・短期譲渡で税率が高くなる 生前から計画的に取得・相続開始後は適切に期間を置いた売却判断
空室リスク・管理負担・収益性 空室では評価減が受けられず、維持費負担だけが残るケースもあり収益性が落ちる 入居状況や維持・修繕計画を確認し、現実的な運営を見据える
専門家との連携の必要性 税務調査や評価認否のリスク、適用要件の複雑さには専門家の助言が不可欠 税理士や司法書士などと事前に相談し、適切な計画や申告体制を整える

まず「駆け込み取得や短期売却のリスク」では、相続開始前3年以内に貸付を開始した土地は「小規模宅地等の特例」が適用されない場合がありますので注意が必要です。また、相続した不動産を所有期間が5年以内に売却すると、短期譲渡所得として高率(約39.63%)の税率が適用される可能性があるため、売却はタイミングを見計らうことが大切です。特例の適用条件や期間に関する判断は慎重に行ってください。

次に「空室リスク・管理負担・収益性」についてですが、空室があると貸家としての評価が減らず、相続税の評価額が高くなることがあります。さらに、空室が続くと収入が得られず維持・修繕費だけかさむことになり、結果として対策が負担になる場合もあります。運用開始前に入居率や管理体制、修繕計画をしっかり確認しておくことが不可欠です。

最後に「専門家との連携の必要性」ですが、不動産を活用した相続対策においては、税務上のリスクや評価が否認される事例も存在します。例えば、節税目的と判断された短期的な取得や形式的な賃貸などでは、適用が認められないことがあります。また、複雑な要件を正確に満たすためにも、税理士や司法書士などの専門家に初期段階から相談し、実現可能で適切な対策設計を行うことが重要です。

まとめ

相続で家を受け継ぐ場合、不動産をうまく活用することで相続税の負担を軽減できることが分かりました。現金に比べて不動産は評価額が低くなりやすく、さらに賃貸活用や特例の利用で節税効果が期待できます。ただし、効果的な対策を行うためには正しい知識と計画が欠かせません。リスクや注意点も把握し、専門家と相談しながら進めることが大切です。複雑に感じる相続税対策も、基礎を押さえれば安心して対応できます。

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